敷地は寅さんゆかりの寺として知られる柴又帝釈天の南、主に住宅地で店舗が点在する柴又街道沿いにある。集合住宅1階店舗部分の改修計画である。
デイサービスセンターは閉鎖的で外から中が見えない事が多いがその様なイメージを一新するような施設を求められた。
そこでリハビリをするために施設に行くという考え方ではなく、テラスでカフェを楽しんだり、緑の自然に囲まれた中で散歩する体験自体が自然とリハビリとなるような施設を目指した。
施設の南に広い介護室を配置し、植物とシナの明るい空間とした。電球は木の実、植物は葉っぱ。大きな実のなる木の下の空間を表現している。
利用者は天井に吊るされた葉の日々の成長を感じ、窓越しに見える壁面緑化の植物は屋外と施設内を緩やかにつなげている。内からは緑の自然が見え、外からは夏の強い日差しを遮りつつ、施設内が見え過ぎない緩衝材となった。
近所の人がカフェかなと思い話しかけてきた。
利用者と職員をはじめ、地域の人と施設の関係が深くなっていく事を願っている
竣工:2018年01月
所在地:東京都葛飾区柴又
用途:デイサービスセンター
構造:RC造/地上7階建(1階部分改修)
床面積:162.75 m²
施工:株式会社 本田工務店
写真:岩渕正樹